とまり木かふぇブログ

子どもたちとの関わり。授かれなかった私たちにできること

顔施

2019年11月5日(火)

私たちは子供を授かれませんでした。

5年もの間、辛い不妊治療を経てもう辞めることにしました。

これもまた、2人でどうするかと

相談しあい決断したこと。

仕事(自営なので)もプライベートも

ずっと一緒の私たちは、一日に顔を合わせる時間が必然的に長い。

仕事のことも、プライベートの話も

お互いに本当によく話します。

一般的な結婚時期より結婚が遅かった分、

皆さんが何十年と寄り添っておられる程の

年月を過ごすことはできませんから、

日々の2人の時間、空間、食事の時間を大切にしています。

 

2人の問題だから真剣に話し合いを重ね、

これもまた、おかげさまで

2人の繋がりを強固なものにしてくれているような気がします。

 

起きている問題を、

受け入れ、知恵を使い考え、

2人の意見のちょうど折り合いのつく

「真ん中を」を探すこと。

生きていると答えのない問題が

たくさんある。

この辺にしておこうという

お互いが譲れるポイントを探すこと。

主人は、私がもう1回もう1回と

悔し涙を流しながら

がむしゃらになっているのを、

「君が辛いのを見るのは辛い。

君がそれでもというならいくらでも

いいよ。」

と、快く、優しく寄り添ってくれました。

 

私は、辞める決断に至るまで、

仕事をセーブし、

痛い辛い悲しいを全部経験し、

友達は出来ないわ、誰にも相談できないわ。

本来の明るい自分を見失ってしまっていた。

できない自分を責めて心がすさんでいた。

主人をお父さんにしてあげられなくてごめんね。

義父や、父、母に孫の顔を見せてやれなくてごめんね。

って。責め続けました。

ギスギスするのはもう辞めよう!

 

だから、やっぱり2人の生活を楽しもう!

 

と思った。

 

これからは、夫婦に目を向けて行こう。

私たちのテーマは、

夫婦が笑顔でいること。

「あの夫婦は、いつも楽しそうね」

と、思っていただくこと。

「あれは、ブランディングではないか?」

と疑われるかもしれませんが、

本当に仲が良いのですから。

そのままありのままをお見せして

2人で笑っていることで

会う人に笑顔のお布施を与えよう。

 

瀬戸内寂聴さんの著書に書かれています。

布施(他人を助け、施しをする)ことの中に、顔施(がんせ)という言葉があります。

お布施というと、お金やものを与えるということばかりではなく、にこにこ優しい顔をみせることもまたお布施になるんだと。

 

会う人が優しい気持ちになる。

会う人が楽しくなって帰っていく。

これも私たち夫婦の使命なのかもしれない。